地球に生まれて

空が暗ければ暗いほど星が輝いて見えるように、暗闇の中では光が明るく見える。

人間の努力が尊く見えるのは、私がまだ愛に至っていない証であるとも言える。

人は何を為すのかという自問の先に、一つの灯りが見えはじめている。

ただ存在したことを、その奇跡のような出来事を有り難く思う。

感謝に包まれた後で、人はそのとき何を為すか。

何もせず感謝に包まれて生きるのも良い。

何かしたいことがあればそれをするのも良い。

口を広げて酸素を吸うと肺から受けとった酸素を血液が血管を通り細胞に届け、細胞に住むミトコンドリアが酸素をエネルギーに替えていく。

一呼吸一呼吸に全身の細胞が喜んでいるのが分かる。

空気の振動は音を耳に伝え、物質の波長は光を反射し、目に色と形を見せる。

匂い、形、音、色、味、感触、思考、記憶、感情といった人間として感じることのできるすべてのことは、すでにそれだけで尊いものである。

地球に生まれて、楽しいことはたくさんある。

地球上に存在する美味しいものを見つけて食べる。
地球から遠くの星々を眺める。
地球上に存在する他の生命と出会う。
地球の言葉で誰かと会話する。

本を読む。
映画を見る。
服を着る。
何かを学ぶこと。
スポーツ。
お酒にダンス。
コンピュータ。
賭け事。
折り紙。
ゲーム。
裁縫。
音楽。
アニメ。
刀剣。
仏像。
絵画。
乗り物。
化学。
経営。
旅行。
武道。
栽培。
電気。
鉱石。
歴史。
仮想。
書。
教育。
建築。
身体。
芸術。
文化。

地球上には味わいきれないほどの楽しいことがたくさんある。
もしそれでも楽しいことがない場合は、あなたが新たに楽しいものを創ればいい。

存在を楽しむ。地球はそういう星である。

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純文学作家(自称)