今日の夢(11月9日)

今朝方、夢を見た。

私は老いて肉体はすでに活動を停止していた。
それでも私の意識は若く、肉体を抜け出し、それが当然であるかのように、どこかの体育館のような建物に入っていった。
体育館の中ではカノンの曲が流れ、卒業式のような祭典が行われていた。
私の名前が呼ばれ、私は自信をもって『はい』と返事をし、壇上に向かって階段を登っていく。
壇上の上には、絵画でみたミカエルのような翼を広げた男が立っていて、にこやかな笑顔を見せたあと、手に持つ証書を読み上げる。
それは魂の答え合わせのようなもので、簡略すれば、私は何回目かの生でようやく私欲をなくことができたため、ここに人間を卒業することを証明する、ということらしい。
これからは私利ではなく、他のもののために活動することが喜びとなると教えられ、私は証書を受け取り、壇上の奥にある、光に包まれた空間に入っていく・・・

夢から覚め、私はしばらく考えていた。
知ってのとおり、私はまだまだ私欲にまみれている。

いい物語を書きたい。
美味しいお酒を飲みたい。
充実した時間を過ごしたい。
素晴らしい芸術に出会いたい。
徳ある人に出会いたい。
誰かの喜ぶ姿がみたい。
そんな煩悩とともに生きている。

いつか、壇上に登っていった私のように、私は私欲を無くすことができるのだろうか。
もし夢が叶うなら、遠い遠い先に、そんな私がいることを想像したい。

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純文学作家(自称)