15年ほど前ぐらいからだろうか、コーチング界隈やセミナー界隈でエフィカシーという言葉が流行りだした(らしい)。
アメリカでは複数の業者がコーチング紛いの詐欺行為により連邦取引委員会などにより処罰を受けているが、日本ではいまだ金儲けの方法として、それに詐欺、そしていわゆる洗脳の道具として似非コーチングが使われている。
そんなことには興味ないので深掘りはしないが(笑)、今日はこのセルフ・エフィカシーについて考えてみたい。
セルフ・エフィカシーとは自己効力感と訳されていて、自己肯定感に似ているがちょっと違う。
セルフ・エフィカシーとは、自ら定めたゴールに対する達成能力の自己評価のことである。
つまり、何となく私ってすごい、というものではなく、達成すべきゴールがあり、それに向けての自信と解釈したら良いだろう。
そして、エフィカシーが高いほどゴールにたどり着くことができるという。
当然と言えば当然であろう。
「思考は現実化する」という言葉もあるが、これも似たような話である。
綺麗になる、というゴールのために、毎日鏡に向かって「私ってなんて綺麗なんだろう」と言っていると女性は本当に綺麗なっていく。
それに反し、男は「俺ってカッコいい」と鏡を見ても、不細工なままなのは不思議な話である(笑) きっと男は脳を騙すのが下手なのであろう。
では、目標を達成するためにエフィカシーを上げるにはどうしたら良いのだろうか。
ということにも興味がないので、ここでも掘り下げない(笑)
それよりも、究極に自己肯定感の強い人がいたらと考えると、エフィカシーを上げたりはしないのでないだろうか。
世界も自分も今この瞬間において完璧であり、生きるとは感謝することである。
といった感覚で生きている人はきっと、これ以上何かを欲っしたりはしないであろう。
逆に、億り人になりたいだとか、モテたいとか、有名になりたい、というのは自己肯定感の低い証明である。
では、自己肯定感が低いことはいけないことか、と言えば、いけないことではない。
上手くエフィカシーなどを利用し、それにより目標を達成していくのは素晴らしいことである。
問題は、何かしなければいけない、という思いにつけこまれ、詐欺被害など会わなくても良い経験をしてしまうことである。
そして、人は潔癖でなければいけない、という思い上がりが生じ、他人を非難してしまうことが、問題である。
さらに、最終的に自己肯定感が上がらなければ、一億稼いでも一兆稼いでも不満足のままであり、一人の愛する人がいても満足できず、まだまだまだまだまだまだと、心を壊すことになりかねない。
現状に満足する、ということを他人に言われることほどお門違いな話はないが、これが自身の内から生まれた肯定であれば、それに勝るものはないというほどの、自信となる。
では、自己肯定感を上げるにはどうしたら良いかというと、超人でない我々は、結局エフィカシーにより目標を達成していくことが最善の方法となる。
自分でエフィカシーをあげることが難しい場合は、決して自分を否定せず常に自分を応援してくれる人を見つけることである。
世界の富豪に並ぶほどお金を稼ぐことが、成功ではない。
たくさんの女にモテることが、男の成功ではない。
オリンピックでメダルを取ることだけが、スポーツの成功ではない。
逆説的なことを言えば、エフィカシーを上げる必要がなくなることが、人間の最大の目標となる。
自身の在り方に満足できたとき、人は本当の自分になり、自身にとっての王となる。
祭多まつりのWEB SITE
純文学作家(自称)
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