男心と秋の空

人は何によって変わるのか。

その問いに答える前に、題名の「男心と秋の空」について考えてみたい。

これは移り気な男の浮気心を表す言葉だが、はたして男はみな浮気をするのであろうか。

その問いに答える前に「秋の空」は本当に変わりやすいのか確認してみたい。

この時期は確かに、高気圧と低気圧が日本付近を西から東へ数日の周期で通過している。
また南からの偏西風により、台風もやってくる。
それによって晴れの日と雨の日が数日おきに繰り返されることになる。
これで秋の天気が変わることが分かった。
では、他の季節はどうだろうか。

答えを先に言えば、春も同様に前線の影響で晴れと雨が繰り返されるのである。

春の空「あんた浮気したでしょ?」

秋の空「お前もな」
と言った感じてあろうか。

春の空「だいたい、あの目のくりっとした娘は誰よ?」

秋の空「あれは台風ちゃんだよ。風に乗ってやってくるんだから仕方ないじゃないか」

春の空「そうやってすぐ人のせいにして!あんたが相手にしなければいいだけじゃない!」

秋の空「無茶を言うなよ。彼女の進む運命は誰にも止められないんだから」

春の空「そうやって自分を正当化して。自分が何を言っているか分かっているの?」

秋の空「分かっているよ。だけど台風は一過性だから、去っていくんだ」

春の空「で?」

秋の空「本当に大事なのはお前だよ」

さてさて、果たして「秋の空」は「春の空」に許して貰えたのだろうか。
それは謎であるが、確かに人との出会いというのは「秋の空」が言うように一過性の性質がある。
それは「一期一会」とも言う。
再び会うこともあるだろうが、今日このとき、その瞬間の出会いに全力を灌ぐ。
それにより何かが生じる。
恋や愛といったものだけではなく、人が人であることを為す、実存的な何かが変わる。
その「実存的な何か」のために人は生き、人に会い、何かを作り、何かを表現している。

ではその「実存的な何か」とは何か。
他に答えるべき問いがあったような気もするが、次回は「実存的な何か」について考えてみたい。



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純文学作家(自称)