明日10月4日は十五夜であり、特に秋の十五夜は「中秋の名月」と呼ばれ、一年で一番月が美しく輝いて見えると言われている。
月は約29.3日かけて地球を一周するわけで、古来から人は月を眺め、月の満ち欠けに応じて暦を作り、そして時には恋をしたり、歌を詠んだり、物語を作ってきたのである。
ということで、今日は月の名前に思いを馳せてみたい。
新月(しんげつ)
月暦で一日の月。地球からは太陽と重なるため見えない。
見えないあたなと掛けて(欠けて)詠まれたりする。
二日月(ふつかづき)
繊月 (せんげつ)とも言う。
殆ど見ることができないが、陽が短い冬の空気の澄んだ頃に、繊維の様に細い月が見えることがある。
幻の恋や、一夜の恋みたいなものだろうか。
三日月(みかづき)
初月(ういづき)・若月(わかづき)・眉月(まゆづき)などとも呼ばれる。
日没前、西の空に浮かぶ。
一般的に最初に見える月であり、歌や物語にもよく登場する。初恋や、思い初めの恋に良く馴染む。
上弦の月(じょうげんのつき)
朔と望の間の半月をいう。弓張とも呼び、月暦の七日頃の月。日没前の夕方ごろから見えはじめる。
これも物語に良くでてくる。夢枕獏さんの「上弦の月を喰べる獅子」などが有名。
十日夜の月(とおかんやのつき)
上弦の月より幾分ふくらんだ月。特に月暦で十月十日の月をいうことがある。
十三夜月 (じゅうさんやづき)
満月に次いで美しい月と言われ、特に九月の月をいうことがあり、この日に観月の宴が行われたりする。
恋ものってくるころあいである。
小望月(こもちづき)
月暦で毎月十四日の月。十五夜の前の月であるところからこう呼ばれている。待宵月とも呼ばれる。
あの人に会いたいと募る恋である。
十五夜(じゅうごや)
必ずしも真円ではないが、満月 (まんげつ)や望月(もちづき)とも呼ばれる。
誰しも恋の絶頂期のときは「この世をば~」などと詠みたくなるものである。
十六夜(いざよい)
既望(きぼう)、不知夜月(いざよいづき)などともいう。
十五夜より月の出が遅くなるさまを、控えめなので、いざよいと呼んだ。
遅れてきた恋、控えめな恋もまた、情緒深い。
立待月(たちまちづき)
月暦で毎月十七日の月。日没後に立って待っていると現れる月。そんな恋は素敵すぎるだろう。
居待月(いまちづき)
月暦で毎月十八日の月。さらに月の出が遅くなり、もう立っては待てず、ゆっくり座って待つうちに出るところからこう呼ばれている。座るようは恋もまた良し。
寝待月
月暦で毎月十九日の月。臥待月とも呼ばれ、寝て待つくらい月の出が遅くなるところからこう呼ばれている。月の出は20時から21時ごろ。
寝て待つぐらいの余裕があるということだろうか。
二十日月
更待月とも呼ばれる。
月の出は22時前後。
だんだん密会になってくる。
下弦
望と朔の間の半月をいう。月暦で毎月二十二日から二十四日ごろの月。
もう終電はない。
二十三夜
真夜中に昇る。月待ち行事として各地に伝わっている。
二十六夜
日の出前、東の空に船の形をした細い月が昇る。
有明月 (ありあけづき)
二十六日頃 夜明けの空(有明の空)に昇る月。本来は十六夜以降の月の総称。「暁月」ともいう。有明の~と詠んだら朝まで一緒だった思い出の歌か、それを望む歌である。
三十日月 (みそかづき)
30日なので「みそか」。月末を「晦日(みそか)」というのはこのため。
また肉眼で見ることはできないので月隠る、転じて晦(つごもり)と言われたりする。年末は大晦日(おおみそか)となる。
ということで皆さま、お団子は食べ過ぎないように注意して下さい(笑)
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純文学作家(自称)
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