「芸術は爆発だ」とは芸術家、岡本太郎氏の言葉だが、氏に倣(なら)えば、人生は爆発だ、あるいは、恋愛は爆発だ、と言っていいかもしれない。
岡本太郎の著者に以下の言葉がある。
これは、芸術とは何かという質問を、中学校でも分かるように教えて欲しい、という求めに応じて岡本太郎が書いたものだ。(正確には太郎の口述を秘書が執筆した)
『今日の芸術―時代を創造するものは誰か』
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まことに、芸術っていったい何なのだろう。
素朴な疑問ですが、それはまた、本質をついた問題でもあるのです。
芸術は、ちょうど毎日の食べものと同じように、人間の生命にとって欠くことのできない、絶対的な必要物、むしろ生きることそのものだと思います。
しかし、何かそうでないように扱われている。そこに現代的な錯誤、ゆがみがあり、またそこから今日の生活の空しさ、そしてそれをまた反映した今日の芸術の空虚も出てくるのです。
すべての人が現在、瞬間瞬間の生きがい、自信を持たなければいけない、その喜びが芸術であり、表現されたものが芸術作品なのです。そういう観点から、現代の状況、また芸術の役割を見かえしてみましょう。
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誰もが知っているように、宇宙はビッグバンという大爆発が起こり誕生した。
惑星もまた、超新星の爆発により生まれる。
何かが誕生するときには必ず、爆発が起きている。
水素と酸素が結合し水ができるが、このときも爆発がおこる。
これを応用したのが原子爆弾である。
大衆芸術の代表に漫画があるが、大友克洋のAKIRAでは作品の中でAKIRAが爆発し、新しい時代が始まる。
そして、日本の漫画史はAKIRA以前、AKIRA以降で語られるようになる。これもまた、爆発である。
一つ訂正する。
何かが誕生するために、爆発が起きるのではない。
爆発の後で、何かが誕生するのだ。
それはちょうど、岡本太郎が作成した太陽の塔のように、また、宗教学者エリアーデが唱える生命の木のイメージのようだ。
そこには癒やしとは違う、絶対的な回復のイメージがある。
さて、長々と語ったが、私もまた、爆発せねばならない。
そして星が誕生することを願っている。
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純文学作家(自称)
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