『春を愛する人はー』という歌があるが、私はあまり春が好きではない。
きっと私の心は濁っているのだろう。
春独特の物悲しい雰囲気の中にいることや、人々が浮き足立っているのを感じると、なんとなく居心地が悪くなってしまう。
それに、春のように優しい雰囲気を持とうとは思っていない。
私は自分に甘く、他人にも甘く、ついついいろいろなことを見過ごしてしまうが、本当は自分にも他人にも厳しくありたいと思っている。
駄目なものは駄目と、悪い方向に進みそうな人や、過ちを繰り返している人、時間を浪費している人に対し、ちゃんと諭せる人でありたいと思っている。
さて、題名にある桃園の誓いは、三国志で最も重要な場面の一つである。以下引用する。
『 我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん。皇天后土よ、実にこの心を鑑みよ。義に背き恩を忘るれば、天人共に戮すべし』
劉備たちは志し半ばにしてみな死んでしまうが、この桃園の誓いは涙をさそう。
今世にあって、天下に向かって一直線に志事を貫く人がいたら教えて欲しい。
そんな彼の下で骸(むくろ)になるなら本望である。
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純文学作家(自称)
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