誰がために鐘は鳴る

いつからの風習か分からないが、死者への鎮魂と生者への慰めのために鐘を鳴らす。
作家ヘミングウェイの書いた「誰がために鐘は鳴る」では、戦争中の無駄な作戦のため、恋人が帰りを待つ中で、主人公が非業の死を遂げ、鐘が鳴ることになる。
鐘は何のために、誰のために鳴ったのか、ヘミングウェイはそれを問いかけている。

さて、他人の死をどこまで受け入れるかという共感と解釈の問題がある。
結論からいえば、他人の死はすべて受け入れ、自分のせいだと思うことである。
いまこの瞬間にも見知らぬ多数の命が消えていく。
それは私の問題でもあり、あなた自身の問題でもある。
では、どうすればよいか。
何もできない。
それで良いと私は思う。

人は己の生をまっとうすることが大事である。
ただし、鐘を音を聞いたならば、それはあなたのために鳴り、自分のために誰かが死んだということを知って欲しい。

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純文学作家(自称)