宝くじが当たったら

この季節に誰もが夢みる物語である。
7億円あれば大抵のことはできる。
システムエンジニアの仕事は辞めて書き物に専念するか。いや、しないだろう。
一生のうちに私だけが書ける物語をいくつか書ければ良い。
そういう意味ではしたいことはすでに達成している。

悲願であるノマド計画を本格的にはじめようか。
ノマド号の購入に3000万。
1年間の人件費が1500万。
1年分の運転資金に5000万。
漫画喫茶ならぬビジネス喫茶をはじめる。
いくらかかるか分からないが、これは1億あれば十分だろう。
忘れていた。親孝行は生きている間にすべきである。
実家の修繕と確か母がバリ島に行きたいなどと昔言っていたから旅行に行く。これが1億。
残り4億。
武道関係のネット販売の立ち上げに100万。運転資金はかからない。
ついでに剣道の防具を一式買い替えよう。奮発して200万。
パソコンも買い替えたい。
機材やソフトウェアもそろえて150万。
ネットで仮想空間も作りたい。勉強する時間が惜しいのでプロに頼む。7650万。

昔諦めた臨床心理士の資格も欲しい。
大学院に行く。2年間で500万。
古物商の開業に50万。
保管庫が必要なので2000万。
行政書士と司法書士の資格スクールに通う。両方受かるまで150万。
星を眺めたいので高性能の天体望遠鏡に120万。
ライザップで脂肪を落とすか。60万。
ロードバイク。20万。

残り2億。
ここまで夢想して、私のしたいことはあまりないことに気がつく。
はじめから、7億あっても私の夢が叶うわけではない。
ノイシュバンシュタイ城の建設にはその100倍はかかり、宇宙旅行の実現はまだ当分先である。
誰かに7億あげてしまってもいい。
それに、夢想は夢想のまま終わるのが良い。
そろそろ始業の時間である。今日も1日頑張ろう。

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純文学作家(自称)