言葉を能く使うことに憧れ、多くの言葉に触れながら自身もまたいくつかの言葉を発してきたが、事象に対し言葉はいつも不適切だという感情が心に沈殿している。
『あなたが好き』という感情を表現するのに「アナタガスキ」と言葉で発しても『あなたが好き』という事象は伝わらない。
言葉を変えて「タイセツ二スルヨ」とか「ナニヨリダイジ」と言うのは間違いではないけれど、本当に大切にしたい気持ちとはずれているように思う。
言葉は記号で、事象そのものには遠く及ばない。
そんなことは承知の上だけれど、100分の1でも、1000分の1でも届くように言葉を使う。
それが人間の宿命である。
伝えたところで、あなたの励みになるわけではないかもしれない。
あなたの何かが変わるわけではないかもしれない。
それでも僕は発し続ける。
あなたが好きです。
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純文学作家(自称)
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