徹夜明けに空を見上げる。
今日の空はどこか物悲しい。
本当にすべきことを先送りし、私でなくても良いことに、肉体と精神をすり減らしているのでないか。
思わずそんな言葉を呟いてしまいそうになる。
と言って、飲んで騒いたり、半端な友情を示したり、手に負えない夢想を膨らませるのが、ほんとの自分であるとも思ってはいない。
きっと、泣いている空に感化されているのだろう。
こんな時は美味いものを食べるか、快楽に溺れるか、さっさと寝てしまうに限る。
さて、7月も明日で終わりである。
夏というやつがやってくる。
久しく海などいっていないが、今年は浜辺でスイカ割りなんかしてしまおうと思う。
夜にはキャンプファイヤーの周りをマイムマイムで踊り、パラシュートのついた打ち上げ花火を上げるのだ。
地面に落ちる前にパラシュートをキャッチできたら、きっと何か願いが一つ叶うに違いないのである。
手持ち花火も悪くない。
気になる娘が誰から火を貰うかで、ちょっぴり妬いたりするのもまた、悪くない。
最後に残った線香花火を誰が長く燃やし続けられるかを競うのである。
「消えないで」と慎重に花火の端を持つ仕草は、きっと夏の夜の幻と等しいほど尊いものに違いない・・・
夢想が過ぎた。
やはり疲れているのだろう。
ちょっぴり眠る。
祭多まつりのWEB SITE
純文学作家(自称)
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