平日の真ん中。
心地よい風と日差しを受けながら、公園のベンチで一人、サイモン・シンの著書を読んで過ごす。
フェルマーの最終定理が証明されるまでの、人類の数学史を鮮やかに描いてみせたその物語を読むのは3度目である。
xの3乗+yの3乗がZの3乗と等しい、または等しくないということを証明せよ、というフェルマーの問いは、ワイルズという男によって1994年に証明されるまで、数学至上最も人々を悩ませ、また魅了し続けた。
そして、私もまた虜になった一人である。
解くべき問題は解かれた。
だが、ワイルズはまた、別の問題に向き合っているに違いない。
数学の解かれていない謎はまだまだある。
私にもまた、証明すべきテーマがある。
帰るとしよう。
今日はやはり、暑くもなく、寒くもない。
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純文学作家(自称)
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