四苦八苦(しくはっく)とは、もともと仏教における苦の分類を指している。
苦とは、「苦しみ」のことではなく「思うようにならない」ことを意味する。
生・老・病・死の四苦に加え、
愛別離苦(あいべつりく) - 愛する者と離れること
怨憎会苦(おんぞうえく) - 怨みや憎しみと出会うこと
求不得苦(ぐふとくく) - 求めることが得られないこと
五蘊盛苦(ごうんじょうく) - 五蘊(肉体と精神)が思うがままにならないこと
の四つの苦を合わせて八苦と呼んでいる。
さて、仏教を信奉する者であれば、四苦八苦しないために悟りに向かえば良いが、我々一般人は、どうやって苦から逃(のが)れたら良いのだろうか。
薬物で誤魔化す、快楽に浸る、酒に溺れる、人にあたる、などなどいろいろあるが、誤解を恐れずに言えば、私は人間がそうなっても仕方ないと思っている。
辛いのならば、薬物に逃げることもあるだろう。
忘れるために、快楽のみを追求こともあるだろう。
どうしていいか分からず、酒浸りになることもあるだろう。
自分の心の痛みに耐えられず、人にあたることもあるだろう。
だけれでも、それは一時凌ぎにしかならないことも知っている。
意識がもどり、酔いから覚めて、自分の行いを省りみると、再び苦が待っている。
一切皆苦と言われているように、生きるとは苦しみを伴うものである。
そして、逃げ続けてしまうこともまた、四苦八苦の一つである。
ならばいっそのこと、苦を苦として受け入れるしかないのである。
四苦八苦しながら生きる。
苦と付き合い、苦を知り、苦を受け入れる。
そうして苦が自分のものになったとき、人は苦から解放される。
それまで私も、四苦八苦しようと思う。
もしあなたが四苦八苦しているのなら、私はあなたを応援する。
そしていつか、あなたは必ず楽になれる。
祭多まつりのWEB SITE
純文学作家(自称)
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