芸術家と悪い男の見分け方

書きたい物語がいくつかある。
その一つが、バイエルン国王ルートヴィヒ2世と、彼の生きた激動の時代についての物語である。
19世紀西欧。ドイツは16世紀にローマ帝国が崩壊してから、大小100を超える国が領有国家を作っていた。
それをプロイセン率いるビスマルクなどが統一へと向かわせるのだが、
その時代、特に異彩を放っている男がいた。ルートヴィヒ2世である。知ってのとおり、ルートヴィヒは耽美と幻想の中に生きた人である。
そして、彼の周りの人物もまた、特殊である。
絶世の美女といわれたオ-ストリア皇后エリザ-ベト。
ルートヴィヒ2世が心酔し支援をしたワ-グナ-。
ワ-グナ-に傾斜した超人ニ-チェ。
ワ-グナ-とニ-チェに強い影響を与えた、心理学者であり生の哲学者であるショーペンハウアー。
たまらない。

余談だが、私が建てたいと夢みている城は、ルートヴィヒ2世が建てた、かのシンデレラ城のモデルとなったノイシュヴァンシュタイン城である。
先日再び映画ルートヴィヒを観たのだが、しばらく余韻に浸りたい。
また、ヴィスコンティ監督とヘルムート・バーガーは恋愛関係にあったのだが、それが作品に影響しているのかは謎としておく。

さて、本題に入る。
普通の人は永遠を求め、一瞬を粗末に過ごす。
芸術家は永遠をないがしろにし、一瞬を惜しむ。
悪い男は今という時間にだけ生きている。

普通の人はめったに愛の言葉を言わず、芸術家はときどき愛の言葉を囁き、悪い男は常に愛に似た言葉を使う。

普通の人は普通の人の意見が気になり、芸術家はみなの意見が気になり、悪い男は誰の意見も気にしない。

普通の人はときどき悩み、芸術家は常に悩み、悪い男は悩みを知らない。

普通の人は金を欲望のために使い、芸術家は金を芸術のために使い、悪い男は金を他人のために使う。

普通の人は話しの合う人を友とし、芸術家は話しの合わない人を友とし、悪い男は誰とでも友達なるか、誰ともならない。

普通の人はときどき芸術家をきどり、芸術家はときどき悪い男をきどり、悪い男はときどき普通の男になる。

普通の男は女が好きで、芸術家の男は芸術家の女が好きで、悪い男は女が好きではない。

普通の人は自分の異常を恐れ、芸術家は自分の異常を誇り、悪い男は自分の異常に気づかない。

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純文学作家(自称)