小さな試み、大きな感謝

エッセイとはもともと「試み」を意味する言葉であった。
その「試み」によって表現される内容は、現存在が発する机上の弁ではなく、今そこにある全人格を越えた、自らを未来に投企した、実存としての試みである。
マルクスがかつて商品の価値変換を「命がけの飛躍」と述べたように、批評家の柄谷行人もまた、言葉の価値が他者に伝わることを「命がけの飛躍」と表現した。
エッセイとは本来、そのような命がけのものである。
私は未来をかけて、このエッセイを書き示す。


とは言っても、私のような凡夫に書き表せることは限られている。
私の性情からしても、大それた発想はもてない。
日常のつまやかな行いを積み重ねることで、私は未来に投企する。
その試みの結果が、実存としての私となる。

さて、試みの一つは文字どおり毎日エッセイを書くということである。説明は不要だが、この行いは挫折続きである。
私は現在、自らの表現をFB上の知人2300人、ツイッターで150人、タイムラインの50人、投稿サイト、それに自身のブログとホームページで公開している。
正直なところ、私の文章をよく読む者はごく僅かである。
「いいね」を頂くことはあっても、ほとんどは相手側の営業活動であり、私の言葉が響いた結果ではない。
それでも稀に読んでくれる人がいるのは、本当に感謝すべきことである。
挫折する度に立ち直れるのは、その方のおかげである。
私はもともと、屋根裏の散歩者か地下室の住人のようにひっそりと言葉を書き留めておくことを本分としていた。
死後に誰かに響けば良いと思っていたのである。
それが、昨年あるアイドルの方と知り合い、表現することの尊さを実感し、現世において言葉を公にしていくことにしたのである。

試みの2つ目は文学である。
文学作家に必要なのは詩的な才能でも、物語を生む才能でも、原体験と呼ばれる人格の根本原因でもない。
文学作家に必要なのはただ一つ。毎日書きつづけることである。まずは12月の末までこの試みを継続し、私は自らなろうとしたところの存在になる。

試みの3つ目、それは祈りである。
抽出的な話となるが、毎日意識的に感謝を実践する。
何一つ感謝すべきことがない日など存在しないと思っている。
私は宗教者ではないが、感謝の積み重ねは深いと実感し、それを実践することに自負を抱いている。
感謝で人は腹を満たすことができ、心を治癒し、生活がよりよいものとなる。

試みの4つ目は読書である。
毎日継続して何かを得ること。
体験で得られることも重要だが、多くの知恵に学ぶことも大切である。
そして、座学という思考の沈殿が試みの基礎となることを忘れてはならない。

試みの5つ目はお金のことである。私の理想とする生活で考えれば、畳1畳に日に米3合、そして紙とペンがあれば楽しく生きていける。
暮らす場所と生活に必要なお金は月に5万もあれば十分足りる。
だが、社会全体が私の理想と同じくしたら、きっと国民生活は成り立たないだろう。
かつて永山則夫が言ったように、無知と貧困が人を犯罪者にするという問題もある。
ベーシックインカムに変わる、社会福祉の実現が必要である。
そのため、今年の5月20日からお金の実験を試みている。以下は私個人の試みである。投資した資産がなくなる恐れもあり、ちまちま重ねるのが好きな私にしか恐らくできないので、決して真似をしないように留意いただきたい。
日本のGDP成長率は1.35、0.94 、1.71、1.21と推移している。
全体の事象は個別事象にもみられるという何かの規則にのっとり、個別商品の日々の価値にも1%以上の変動が生じる。
欲をだし、私はこの基礎値を2%としている。
一般家庭の支出はわからないが、頑張って頑張って、私は1万5千円を捻出し実験を開始した。
5月の20日に15000円であったものは、毎日2%成長し、30日後、1.8倍となった。
7月23日、64日目は3.55倍となった。
今のところは計画通りである。
100日後、これは7.2倍になり、233日目で、100倍を越える。これでようやく「文化的な最低限度の生活」が可能となるのではないか。
365日後には1377倍となる算段である。
恐らくそう上手くはいかないだろうが、システムは修正すればよい。
実験が成功したら、やりたいことがいくつかある。
それがまた私のエッセイ(試み)となるであろう。

ついでなので、文学とは別に資金ができたら私のやろうとしていることを書き連ね、今日のエッセイを終わりとする。

1.法と臨床とコンピュータシステムでもって人々の生活向上に付与する。また、人の実存(行動と認識)に変容をおこさせるシステムを作る。
具体的にはVA内での臨床治療的なものである。
10年以上考えているが、資金も専門知識も全然足りていない。試みる前の段階である。

2.実存としての研究所を作る
上記のシステムを使って、人間の試みを支援するような組織を作る。

3.タイムマシン研究所を作る

4.定期的に祭りだ祭りを開催する

5.感謝を形で返す
これが試みの大きな動機となっているのは間違いない。
感謝を言葉で表すことも大事だが、良い大人がそれだけでは寂しくもある。目の前にある5万、10万の売上ではなく、3年以上という長い年月、友達未満の関係でありながら、全部ではないにしても私のエッセイを読んでくれていた方に恩を返したい。
ライン上だが、ときには私が暴言を吐いたりもしただろう。セクハラ的な発言もしただろう。お詫びする。
私の愛情をあげても仕方ないので、来年か再来年には収益の一部は配当という形でその恩人の方の口座に入るようにする。
収益が一千万円を越えない場合は、差額分を別途支払う。
もちろん、この発言はこのエッセイを削除した後でも、法律的にも、道徳的にも有効である。

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