生きる

生きる

地球が回り目が覚める。
あと何度、僕は朝日を見られるだろうか。

渇きを覚えグラスに水を注ぐ。
あと何度、僕は喉の渇きを癒せるだろうか。

顔を洗いスーツに着替える。
味噌汁を飲み、歯を磨き、トイレに行く。
あと何度、僕はこの平凡な日常をおくれるのだろうか。

目を閉じ思いを馳せる。
あと何度、本を読み感動し、あと何度、人の演技に胸を熱くするのだろうか。

自分の鼓動の音が微かに聞こえる。
あと何度僕は息を吸い、あと何度、息を吐けるだろうか。

雨の日には傘をさし、晴れの日には汗を拭う。
たわいもないそれらのことをあと何度、僕はできるだろうか。

誰かの笑顔が頭に浮かぶ。
あと何度、僕は人の笑顔が見れて、あと何度、僕は笑えるのだろうか。
そしてあと何度、僕は好きな人に好きだと言えるのだろうか。


今この瞬間が愛おしい。
あと何度、僕に「今」があるか分からぬが、
僕は今、こうして生きている。
僕は今、生きている。

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純文学作家(自称)