秋も深まり、冬の足音が聞こえている。すでに積雪のある地域もある。
季節は変わるが、私は相変わらず、ここにいる。
ということで、3 週間ぶりの図書館。
「今日から始める楽しい川柳入門」
試験も終わったので、気晴らしに川柳をはじめる。
来年1月が締め切りの「オタク川柳」というのがある。
これにチャレンジすることにした。大賞は10万円。ちょっとしたお小遣いである。みなさんも応募することを勧める。575のリズムに情熱をぶつけてみよう。
「技術は地球を救えるか」
興味深いテーマである。地球温暖化を解決するための技術論から、農業、民間治療や占星術という技術まで、幅広く論じている。
古代ギリシャでは、技術をアートと名付けた。
技術も芸術も、人間同士の衝突ではなく、本来は人を助けるためにあるのだろう。
「生命知としての場の理論」
『場』という生命にとっての存在知を柳生新陰流という現象から語る。
『場』が良いとか『場』が暖まるなどと言われたりもする。『場』とは何か。『場』とは、生命にとって、他者と出合い、ときに衝突し、ときに、結ばれ、ときに何かの科学反応が起きる場である。これもまた感慨深いテーマである。
「ニーチェ」
ニーチェはニーチェだが、それを、中島義道が解説する。
ヴィトゲンシュタインが言うように、哲学もまた語るものではないが、哲学をしている数少ない日本の哲学者であり、偏屈な中島ワールドを堪能できる。 哲学は人と衝突するための原説とも言える。
「生命の内と外」
冒頭から面白い。ヒトの形はドーナツだという。
ヒトの口に入ったものは喉を通り、胃、腸をこえて、肛門から出る。
これはヒトの外で起きている事象という。
生命に必要なものを内に取り込み、不必要なものを取り込まないために、ヒトは油で覆われた皮質でもって内と外を分けている。
ヒトはそうして、内と外を分け、個人的に行動できるようになったが、身体の外という腸の中に、並べると地球を数周できるほど微生物を抱えて生きている。
ヒトもまた、地球と対峙し衝突する存在ではなく、地球、ひいては宇宙のシステムの一つであることを考えさせられる。
「植物と話がしたい」
作曲家である神津善行さんの科学的実験と思想の書。
趣味で植物の研究をはじめたらしいが、その研究が世界の研究者にも評価され、NHKで特番もされた。もはや趣味のレベルを越えている。
植物という生命、細胞は我々人間より古くから存在し、幾多の障害を越えてきた先輩である。
植物も人間と同じく電気パルスにより、細胞間の意志疎通をはかっている。
植物も音楽、つまりは音の振動と衝動し、感情と呼ばれるようなパルスを発する。
と考えると、動物も植物も同じで、粗末にはできない。
「AmazonのKindleで自分の本を出す方法」
電子出版をはじめようとして10年、いまだ手をださずにいる。一度そっちでやると、出発業界からは相手にされなくなる傾向があり、大手出版社と衝突することもある。
なにより、紙媒体が私には合っている。
「はじめての行政法」
行政法というのは噛めば噛むほど面白くなる。まだ入門の段階だが、民法という人と人、または人と組織、組織と組織による衝突の解決のためにある法律と違って、公益と法の関係を考えるのが、私には合っている。
「入門株のしくみ」
株をはじめよう!というわけではなく、株取引の手法を学びたいと思っている。
なんのためにか?もちろん文学のためである。
株もまた、さまざまな衝突を生む。それを文学にしたい。
「ニュートリノってナンダ?」
我々の肉体は物質世界に存在している。ニュートリノもまた、我々と同じ、物質世界の住人である。そしてニュートリノは我々人間の身体を毎秒100兆個通過している。
だが、ニュートリノは感知できない。
ニュートリノは基本的に他の素粒子と干渉しないのだが、たまに他の素粒子と衝突したときに生じるチェレンコフ光によってその存在を認識できる。
さて、そのニュートリノ観測装置だが、世界で一番大きいスーパーカミオカンデと呼ばれる装置が日本にあり、2025 年にさらり大きいものが完成される予定である。
まあ、ものすごい金額の税金がかかっているのだが、これにより、日本は素粒子物理学では世界トップの研究ができている。ノーベル賞も量産している。この動きはしばらく続くだろう。
もともと素粒子理論というのは日本人の思考にも馴染む。
この宇宙で物理学が把握できていることは、物質世界という4.9%に過ぎない。
その物質世界は、先ほどのニュートリノを含む素粒子と、それぞれの粒子に対する反粒子でできている。つまり、宇宙はゼロサムなのである。
だが、本来は粒子と反粒子は同一の数とエネルギーが対になって生じるのだが、ベータ崩壊などにより、なぜか反粒子に比べ粒子の数が多い。
なぜか? そのような謎が、ハイパーカミオカンデにより、解明されるかもしれない。
さて、解明されていない宇宙のエネルギーであるが、これはダークエネルギーと呼ばれている。
恐ろしい暗黒のエネルギーという意味ではなく、まだ分からないのでその名称となっている。
それが宇宙全体の68.3%を占めている。
そして、暗黒物質(ダークマター)と呼ばれる、なんだか分からないけど、質量のあるものが26.8%ある。
宇宙はほとんどまだ、解明されていないのである。
さて、ここからは山田正紀さんの小説ばりにSFにになるが、エントロピーが増大した末に宇宙は熱的死を迎える。
何も動けなくなった物質宇宙の終わりである。
だが、宇宙の95%はまだ生きているのである。
最近のホーキング博士の研究で、『柔らかい毛理論』というものがある。
従来、超新星の爆発により生じるブラックホールにより、周辺の宇宙が飲み込まれるとされてきたが、そうではなく、ブラックホールの周りの柔らかい毛に、その情報(エネルギー)が蓄えられるのではないか、と言うのだ。
私はその蓄えられた情報の中に、人間の記憶も入るのかもしれないと考えている。
私はときおり、宇宙で超新星が爆発する夢を見る。
人間の夢想の中には、一つの宇宙に匹敵するほどの情報(エネルギー)が潜んでいるのである。
我々が生きる銀河もいつか爆発してなくなる。
そのとき人間一人一人が蓄えてきたエネルギー(それはきっと愛に似ている)は、どこに行くのか。
柔らかい毛により変換されたエネルギーがダークエネルギー(まだ分からないエネルギー)となり、宇宙に広がる。
私はそんな夢想を楽しんでいる。
祭多まつりのWEB SITE
純文学作家(自称)
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