思い出の映画

映画は語るものではないと思っているが、たまには良いだろうということで、人に紹介できるものを、私の思い出とともに記載する。
映画のネタバレにもなるので、内容が分かるのが嫌な方は読まないことを願う。



「今を生きる」
監督:ピーター・ウィアー
主演:ロビン・ウィリアムズ、ロバート・ショーン・レナード、イーサン・ホーク

ニューイングランドの全寮制の学院を舞台に、生きるとは何か、自由とは何か、そして死とは何か、を描くヒューマンドラマ。
高校時代にレンタルビデオで借りて、号泣しながら観賞した思い出がある。



「ルートヴィヒ」完全復元版
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
主演:ヘルムート・バーガー

昨年はビスコンティ監督の生誕110周年、没後40年ということで、恵比寿ガーデンシネマで『山猫』と『ルートヴィヒ』が「美しき男たち」というキャッチフレーズとともに、再上映されていた。
『山猫』は、かのアラン・ドロンが主演であり、それだけで見る価値がする。
私事であるが、12歳のときはじめてアラン・ドロンの映画をみたとき、美が人間に宿るということを知ったのである。
格好良さを基準とするなら、世界の男はすべて、アラン・ドロンとそれ以外に分けられる。
ルートヴィヒの史実については何度も語っているので省略するが、彼以上に美を求めた王様を、私は知らない。ヘルムートバーガーの妖艶な色気がルートヴィヒのそれを最大限に表現している。


「白い婚礼」
監督:ジャン・クロード・ブリソー
主演:バネッサ・パラディ

退廃的に生きる少女が、妻のいる中年の哲学教師に惚れ、体の関係をもち、やがて学校に知られ、少女は孤独のうちにアパルトマンの一室に籠るようになる。そして・・・
当時14歳であったバネッサの裸の四肢が白く輝き、天使のようである。
レビューなどでは酷評され、内容も文字にするとただのロマンス映画に思えてしまうが、私は哲学映画だと思っている。
ちなみにバネッサはこの作品でセザール賞を受賞した。 


「エリザ」
監督:ジャン・ベッケル
主演:バネッサ・パラディ

セルジュ・ゲンズブールのヒット曲『エリザ』をモチーフに作られた作品。
もう映画は出ないと言っていたバネッサが6年ぶりに主演した映画。
復讐のために父親を探して旅をする女の話で、やはり背景に自殺や売春の匂いがある。
封切り日に学校を休んで観に行った。
渋谷の単館映画館で上映されたのだが、客は3人しかいなく、エリザの芸術性とバネッサの美を分かる人は日本には私しかいないと、密かに誇りに思ったものである。後に作品の中で着ていたバネッサの衣装が評価される。


「ロードオブザリング」
監督:ピーター・ジャクソン
主演:イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン他、多数

口直し?に、ファンタジー。
内容の説明は不要だろう。
若かりし頃にトールキンの「指輪物語」にはまったことがある人なら分かると思うが、最初は映画化なんてしないで欲しいと思ったものである。
ところがいざ観ると、期待した以上に良く出来ていた。
私の好きなシーンは、ミナス・ティリスがローハンに助けを求めるために狼煙をあげる場面である。
「指輪物語」では7つの烽火台があるのだが、映画ではさらに感動的に次々に烽火台に火が連携され、国同士が団結していく様子は胸に込み上げるものある。


「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」
監督:ツイ・ハーク
主演:リー・リンチェイ

清国末期の動乱の中で活躍した実在の武術家である黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)を主人公にしたアクション映画シリーズ。
キレッキレのダンスと言った言葉を良く見かけるが、元祖キレッキレの技を披露していたのが、主演のリーである。


「英雄」
監督:チャン・イーモウ
主演:リー・リンチェイ、他多数

リーの映画は他にも素晴らしいのがあるが「英雄」だけ記載しておく。何と言っても映像が綺麗である。


「ジャッキー映画」
リー・リンチェイより先に有名になった香港スターと言えば、ジャッキー・チェンである。ブルース・リーもいるが、彼は映画スターと言うより武術家に近い。
小学生時代は暗い思い出しかないと思っていたが、こうして振り返ると、ジャッキー映画を楽しんで観ていたことを思い出した。
サモハンキンポーもユンピョウも好きである。


「シュワルツネッガー作品」
「ブルースウィルス作品」
リーやジャッキー同様に、主演映画を追って観たのは上記二人である。
意識していないが、私はアクション映画が好きらしい。 


「ドラえもん映画」
映画と言えばドラえもんは外せない。ここ20年ぐらいの作品は分からないが「海底鬼岩城 」「魔界大冒険」「竜の騎士」などが好きであった。


「ラピュタ」
映画といえば、ジブリも外せない。壮大さでいえばナウシカ、思い出深いラピュタ、必ず泣くのは魔女、加藤登紀子が唄う豚、ぽんぽこ狸、千と千尋、「生きろ、そなたは美しい」、などなど、みな好きである。


「三国志」
監督:勝間田具治
漫画で三国志といえば横山光輝であり、映画で三国志と言えば、レッドクリフでも、趙雲の三国志でもなく、私にとっては東映アニメーションのこの三国志である。
なお、小説の三国志は多数あり、優劣つけがたい。
さて、東映映画の三国志のメインは三国志の前半、劉備が亡くなるまでであり、残りの部分は谷村新司の唄とともに早足で過ぎていく。それがまた感動を誘う。


「パプリカ」
監督:今敏
アニメで印象深い作品は他にもあるが、記憶に新しいのがパプリカである。
原作は筒井康隆のSF小説で、映像化は不可能と言われいた。
平沢進の音楽と見事に融合し、精神世界とその崩壊を見事に映像化している。


「アキラ」
監督:大友克洋
以前にも書いたので説明は省くが、日本のアニメ史は「アキラ」なくして語れない。


「南極物語」
監督:蔵原惟繕
主演:高倉健、渡瀬恒彦、岡田英次、夏目雅子、荻野目慶子

母親に連れられてはじめて観た映画である。当時まったく理解できなかったが、何となく高倉健の渋さと、南極に残されたタロとジロが可哀想に思った記憶がある。


「ブラックレイン」
監督:リドリー・スコット
主演:マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作、アンディ・ガルシア

高倉健の作品でもう一つ思い出の作品をあげるとすれば「幸福の黄色いハンカチ」ではなく「八甲田山」でもなく、ブラックレインである。
リドリースコット監督と言えばブレードランナーだが、同じ雰囲気を持つ映画である。


「生きてこそ」
監督:フランク・マーシャル

実際にあった1972年の旅客機墜落事故をモチーフにしている。
日本でもひかりごけなど人肉を食べて生き延びる話がある。


「セント・エルモス・ファイアー」
監督:ジョエル・シューマカー
主演:エミリオ・エステベス、ロブ・ロウ、アンドリュー・マッカーシー、デミ・ムーア

青春映画ばかり観ていた時期がある。その中でも特別好きな作品。


「私の夜はあなたの昼より美しい」
監督:アンジェイ・ズラウスキー
主演:ソフィー・マルソー

さきほど書き忘れたが、主演作品を追うように観た女優がいた。
ソフィー・マルソーである。
「ラ・ブーム」はまさにブームであった。 


「I am Sam」
監督:ジェシー・ネルソン
主演:ショーン・ペン

知的障害のために7歳の知能しか持たない父親サムは、一人で愛娘ルーシーを育てていた。母親はルーシーを生むとすぐに姿を消してしまったが、二人は理解ある人々に囲まれ幸せに暮らしている。しかし、ルーシーが7歳になる頃にはその知能は父親を超えようとしていた。そんなある日、サムは家庭訪問に来たソーシャルワーカーによって養育能力なしと判断され、ルーシーを奪われてしまう。どうしてもルーシーを取り戻したいサムは・・wikiより



「大根に花が咲いた」
主演:高千穂高校

これは映画ではなくドキュメンタリー映像であるが、剣道界にいまでも伝説として残る映像作品である。


「ヤングガン」
監督:クリストファー・ケイン
主演:エミリオ・エステベス、キーファー・サザーランド、ルー・ダイアモンド・フィリップス、チャーリー・シーン

ガンアクションや西部劇も好きだった。ヤングガンはその代表と言えるだろう。


「キューブ」
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ

ここからはスプラッターやホラーに入る。
キューブを初めて観たときは衝撃であった。
これから観る方のために内容は伏せておくが、立方体に閉じ込められた男女6人がトラップが張り巡らされた謎の迷宮から脱出を試みる脱出劇である。

「ソウ」シリーズ
監督:ジェームズ・ワン
主演:ケイリー・エルウィス、リー・ワネル

「○○」など、ソウ以上にグロテスクな作品は紹介できないが、ソウならまあ良いだろう。


「呪怨」
監督:清水崇
すっかり日本ホラーの代名詞となったが、作品的には、初代のホラービデオ作品が一番好きである。初期の呪怨ファンはみなそう言うので聞き流して貰いたい。


「 」

タイトルが空白、というわけではなく、ホラー系の映画でタイトルを思い出せない映画が一つある。
いろいろあり(笑)、鏡の中からでてくる悪霊を、主人公がようやく封印するのだが、ラストのシーンで、主人公がその鏡に触れようとする場面で、映画が終わる。
そのシーンがずっと忘れられずにいる。何という映画か、分かる方はぜひ教えて欲しい。


「時計じかけのオレンジ」
監督:スタンリー・キューブリック
主演: マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、マイケル・ベイツ

何とも表現し難い映画。
その他、王道だが、黒澤明監督作品や、荒俣宏の「帝都大戦」、「ネバーエンディングストーリー」、「リバーランズスルーイット」、「グーニーズ」、C級ゾンビ映画、D級シャーク映画など。


「いちご同盟」
監督:鹿島勤

最後に再び口直し。 
三田誠広さんの同名小説を映画化した作品。
私は好意ある人に本を贈る場合はこの本を選ぶ。


映画は語るものではなく、観るものである。
最初にそう言ったにも関わらず、ついつい語りすぎてしまった。
他人の人生や感動というものが相手にとってときにただウザイものだということは、なかなか気づきににくい。
だから、これを読んだあなたはただウザイとだけ言ってくれたら良いのだが、最後に感動ということについて思うところを書き、終わりにしたい。

感動と言うと、感激で涙を流すことと主に考えていたが、今日様々な映画を振り返り、感動というのはそれだけではなく、笑うことや、映画のあるシーンを観てスカッとすること、何かを不思議に思うこと、嫌悪感や恐怖も含め、心が感じて動くことはすべて感動なんだということを認識した。
人間は感動するために生きている、と言っても過言ではない。これからもたくさんの感動があなたにもたらされることを願い、今日の筆を置く。

映画って本当に良いですね。

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