嘘つきな僕と正直な君

「俺もこの歌好きだなー」
そう言って、狭いベッドの上で君を抱きしめた。
いつも君は、恥ずかしそうに笑っていた。
「一生大事にするから」
そんな言葉を吐いて僕は満足で、君はやっぱり何も言わずに笑っていた。
思えば、僕はいつも嘘つきで、君はいつも正直だった。
「他に好きな人ができちゃった」
いつものように恥ずかしそうに笑いながら。

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純文学作家(自称)