犠牲陽極

嵐の松潤を騙った詐欺メールに続いて、犠牲陽極を語った間違いメールが会社のアドレスに届いた。
聞き慣れない言葉だったので仕事を脇においてネットを徘徊していたのは昨日のことである。
鉄(Fe)や銅(Cu)などの金属が水(H2O)や空気にさらされていると錆びるのは、宇宙的には正しいが、一過性としとの人類には困ることがある。
私の乗っているロシナンテ(自転車)も赤錆(Fe2O3)で大変だが、元素記号から分かるとおり、金属の腐食は酸化から起こる。
この酸化を防ぐ理論や技術を、犠牲陽極という。
守りたい鉄などの表面に亜鉛を貼ると、亜鉛は寂しがりやなので(イオン化傾向しやすい)、酸化しやすい。
すると亜鉛だけが腐食し、鉄は守られる。
美容業界でもこれを応用し、老化の1事象を表すたんぱく質の酸化である、しみなどを犠牲陽極サプリなどで取ろうと試みている。
亜鉛とえば亜鉛華という真っ白な軟膏があり、傷ぐちに塗るとたちまち治る(個人差があります)
なぜ華なのか調べてないので分からないが、私は「ふしだらな白」と呼んでいる。
さて、この犠牲陽極だが、人間関係では昔からよく見られる事象であった。
人との出会いは化学反応で例えられたりするが、まさに犠牲陽極的な出会いというものがある。
一方を助けるために、一方が犠牲になる。(ときには搾取される)
 「寂しがりな元素」、「ふしだらな白」、「犠牲」。
これだけキーワードがあれば、面白い話が書けそうである。

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純文学作家(自称)